2015.1.8 下北沢 ザ・スズナリ年末、大阪で目撃できなくて新年の初観劇となった。下北沢の聖地ザ・スズナリで関西の老舗小劇場を関西人が観るという至福の時間であった。
前作の使用人から内藤さんの脚本が変わった様な気がするのはボクだけか?確かに変わったと思う。それもけっこうええ感じにである。わかり易いとはちょっと違う。何だか自閉症が治ったような潔さなのである。
今作のテーマってグローバリズムだったり、FUKUSHIMAだったりTPP交渉だったり、イスラム国とアメリカだったり、観る側がいくらでも意味づけをしていく事の可能な内藤ワールドに引きずり込むのは流石というか、もはや名人芸ですね。効果的に十八番であるセリフのリフレインも随所に散りばめられていて、主体と客体がフィッシャーのだまし絵の如くぐるぐる配置されていく。まるで万華鏡みたいな脚本。
今作では荒谷清水や河野洋一郎によるオヤジキャラチームが迫真の演技で涙を誘ったのが印象的。勇者のメインである和田亞弓は惚れ惚れするほど可愛かった。そして我が鴨鈴女は、前々作までのカマシ要素など微塵もなく、ええ芝居を魅せてもらった。それがやっぱりスズナリに合ってるんだよね。
最後にトタンの美術演出を考えついた時には、けっこう嬉しかっただろうなと想像する。本来の南河内万歳一座の燻銀の小劇場魂を安心して楽しめる佳作であった。良かった。スズナリにて12/12までやってます。
東京での公演スケジュール