2016.10.18 NHK大阪ホール
主催がYTVとサンライズプロモーションなんで、キョードさんが仕掛けたイベントなのかなぁ?と思いつつ、折角のご招待を頂いたので、よくわからないまま海老蔵を観に行く。
六本木歌舞伎が何らかの理由で頓挫、なんとか公演をという感じの「?」な内容だったのだが、なかなか楽しめる趣向だった。能楽の舞拍子で「安宅」を、そして歌舞伎十八番「勧進帳」という極めてシンプルな内容。時間的にも短くて初心者の方にはなかなか楽しめたのではないかと思う好企画でした。
「安宅」は仕舞いで中学生の頃に舞った演目。ほとんど忘れてたけど、能楽としては外連味のある動きで、今にして思えばなかなか難しかった。
その「安宅」をモチーフにしたという市川宗家伝来の歌舞伎十八番「勧進帳」である。相手役の富樫を中村獅童という六本木やんちゃ系。獅童は初役ということで、その観点でも面白く観させてもらった。確かに途中の掛け合いなどはピッタリ息が合ってなかなかの迫力だったんだが、いわゆる富樫の人間性、春秋、情愛みたいな表現に欠けていたような気がする。対する海老蔵はサービス精神満点で、市川家の芸をバンバン魅せてくれた。花道が無かったのが少し残念だが、いわゆる歌舞伎のええ所だけをダイジェストで観た感じ。今後の六本木やんちゃコンビに益々期待できる内容でした。面白かった。