2017.7.17 カナザワ映画祭恥ずかしながらタイトル買いで、カナザワ映画祭の新人監督作品特集の中の同作を観た。女性器に歯が生えていて、性交渉した相手は局部を食い千切られるという奇形(だよね…あれは)に生まれた主人公が本物の愛と出逢うというトンデモ脚本。アフタートークに登壇した岡部監督はマジメな映画人風。そもそも映画の専門学校の卒制のグループワークでこの脚本を出したものの多数決で見事に没。その後構想を膨らませつつ、7年もの助監経験の末の初監督作品が同作。いわゆる"犯る""犯られる"という固定概念を真逆に解釈したコンセプトは凄いなと素直に感心した。そのぶっ飛んだ世界観をリアリティ豊かに演じきった主演の馬場野々香の妖艶にしてリアルな演技にまず拍手。モチーフとなる母親と弟のトッポイ演技が更に作品に膨らみを与えていた。後半から"本気の純愛映画"だと誰もがアタマをどつかれ、ハタと涙を流す…。そういう映画だった。絶望的な設定にもかかわらず、最後に観客に希望を与えるあたりが好み。これからもどんどん撮り続けて欲しい監督だ。馬場さんの舞台も一度観ておこうと心に誓う。★★★☆☆
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