2017.6.3&6.14 下北沢/本多劇場
劇団鹿殺しの出世作にして代表作である”電車二部作”を一挙に同時再演ということで、これは見逃せないと下北沢。ブログを辿ってみると、2
013年の初演の青山円形劇場と、感動のあまり
大千秋楽の伊丹AIホールと2回も観ていた。どうも『電車は血で走る』は今回が初観劇みたいだ。とにかく自己愛の強い脚本家と演出家だと、良くも悪くも感心する。丸尾丸一郎のあっけらかんと関西の、しかも阪神間という東京では多分その質感を捉えられないであろうモチーフで、自分たちの東京攻めを投影した青春ストーリー。初演時と同じキャストを配役を変えるというスタイルでの公演。そもそも「無休電車」は青山円形劇場の、あの舞台を想定した戯曲だったと思うし、今回の本多劇場への移行は、相当に苦労しただろうと思う。とはいえ、やっぱりこの劇団の憲法がこの2作品には篭っているんだろうと思わせる秀作。とにかく贔屓の美津乃あわが、何役もこなすという設定に驚いたり、拍手を送ったりの複雑な感覚だった。本公演も今年はこれだけという。丸尾が忙しいのもあるのだろうが、どうも何だか劇団としての今後を考える二作同時公演だった。鹿殺しの明日はどっちなんだろうか?
▼劇団鹿殺し公式サイト
http://shika564.com/