2016.10.12 天王洲銀河劇場蜷川さんがこの世から亡くなって初の藤原竜也を舞台で目撃。静かなる狂気に満ちたいい芝居だった。こんな戯曲をどうやって見つけて舞台化するのか不思議でならないし(韓国では評判の戯曲で、何度も再演されているらしい)、この脚本を読んだら、真っ先に藤原竜也という怪優を思い浮かべるのもうなずける。あのヤンチャで押してきた藤原竜也が、"抑えに抑えた芝居"をじっくりと魅せてくれた。身毒丸だったあの頃に比べ、もはや後輩たちを教える立場になったかのような責任感が、舞台いっぱいに溢れていた。ちょっとした演技で様々な誤解を観客に生んでしまう可能性のある難しい人物設定を見事にこなしていたのはさすが。すべてが二人芝居の構成で進む四人だけの芝居なので、こちらも相当の集中力を求められたが、あの長台詞を淀みなく、情感たっぷりに駆使した藤原竜也はやっぱり素晴らしい。
▼「鱈々」公式サイト
http://hpot.jp/stage/dara