2015.5.11 TOHOシネマズ梅田
まず最初に、このデイミアン・チャゼルという監督、よーくジャズを理解していると感心した。そしてこれほどシズル感たっぷりにジャズを、そしてドラムを映像化している映画がかつてあっただろうか?
ストーリーはいたって単純。でも音楽をやっている人間にはわかるであろう、あの”神が降りて来る瞬間”の映像化に成功している。余談だが、かつて一緒にバンドを組んでいたメンバーで、今や関西ジャズ界のベテラン・ベーシストである三原修さんの事をフラッシュバックの如く思い出してしまった。ジャズにとってテンポ感ほど大事なものはない。よくあの頃ノイローゼになるんじゃないかと思うくらいにリズム、テンポをスパルタンに体感させてもらったのだ。そしてこの映画には、狂気の一歩手前に訪れるエクスタシーという大きなエンディングが待っている。これはミュージシャンしかわからない感覚かもしれないが、それを平易に、そして感動的に描いているのだ。鬼教官役のJ.K.シモンズのはまり役加減に感涙。父親役のポール・ライザーもええ芝居をしておった。いわゆる巨人の星ジャズ版、そしてジェイソンよろしく、若干のサイコ・ホラー風味をまぶしたヘンテコなストーリーを素晴らしいとドラムプレイとサウンドが全てを凌駕してくれている。キャラバンがこれほどの力量で聴けたのも良かった。デートには不向き。ひとりで行くのもちょっとお勧めしません。重いです。どーんと重いです。
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予告編
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