2014.5.8 梅田芸術劇場
うん、確かにマックスだった。限界だなとも思った。
18時30分開演の途中20分の休憩を入れて22時過ぎまでという大作。文字通り”いのうえ歌舞伎”の集大成的な作品だった。天海祐希と松山ケンイチの二枚看板。劇団の看板役者の古田新太が居なかったのはどう考えても痛かった。松山くんは器用で上手な役者さんだけど、あれだけの猛者の中ではどうしても”華”不足は否めない。将門小次郎を古田が演じていたら…とずっと頭をよぎる。
天海さんはもう神の域。美しいとか上手とかオーラ感じるのその上をいく。まるで後光が射したかのような存在感。なので前半の女の葛藤はどうにも頂けない。それと高田聖子の丸まり様が見ていられなかった。もはや天海さんへの不戦敗。そういうんじゃなかったじゃん、聖子さん!って感じでイライラ観ていた。
新感線スピリットを終始、ひとりきりで背負ったのが橋本じゅんである。あれはしんどかったと思うなぁ。そしてどう観ても新感線であった存在感は天晴れである。
今作のミモノはやっぱりどうしたって早乙女太一。この人台詞はイマイチだったのに、それも克服して、鬼気迫るええ芝居をやっていた。テーパー舞台に少し不慣れだったのかな?自慢の殺陣の所々で呼吸乱れたりして勿体なかったなと思う。太一はええ!結論である。
全体に何だろう?詰め込みすぎたのか、時間切れだったのか?随所にドドンというSEと共に場面展開する暗転オチみたいなのがやたら鼻についた。平幹二郎とかスケジュール調整の難しい役者ばかり集めすぎたのかもしれない。制作プロデューサーの柴原さんのオバチャン趣味の既視感がたまらなく嫌〜な感じでもあった。
しかし、時間的にも料金的にもキャスト的にも、もはやきっと限界だろうと思う。もう同じ手は使えない。ビレッジどーする?いのうえさん、どーする?である。
完成され過ぎた上での新たな悩みが露呈した今作。残念ながら、あの
「薔薇とサムライ」はやっぱり抜けなかったな。★2つである。